指とデジタル

2010/04/01
スタッフブログ

指の、医学的に正しい名前は、母指(ぼし)、示指(じし)、中指(ちゅうし)、環指(かんし)、小指(しょうし)で、番号で言うのは正しくありません。これを、英語で言うと、thumb、index finger、middle finger、ring finger、little fingerとなる訳ですが、何か気付かれましたか?

そう、親指(母指)には、fingerが付いていません。実際に、英和辞典を引くと、fingerには、「親指以外の4本の指」と書かれています。もし、「first finger」と言う記述があれば、これは親指ではなく人差し指(示指)となるはずです。

一方、手の甲には、それぞれの指の延長にあたる長い骨があり、「中手骨(ちゅうしゅこつ)」と、言います。これには、親指を第1とする番号がついており、人差し指の付け根は第2中手骨に当たります。つまり、第1 fingerの根本は第2中手骨となる訳で、私は、洋の東西を問わず手の専門家が指を番号で呼ばない理由はこれだと思っています。

 

根底には、東洋の「指」と西洋の「finger」の概念が異なるからなのですが、西洋には5本の「指」全部をまとめる言葉はないのでしょうか?
実は、「digit」と言う単語がそれに当たります。
医療現場では「digit」の形容詞「digital」を、ドイツ語読みして「ジギタル」と言います。大抵は、指で身体の深部を探る「指診」の略として使われています。
しかし、この単語、よ~っく見て下さい。最近、しきりに目にしませんか?
そうですね。英語読みすると「デジタル」になります。「デジカメ」の「デジ」、「地デジ」の「デジ」、です。もう一度英和辞典を引くと、「指の」と「デジタルの」の、両方の意味が出ています。
「デジタル」の語源は、意外な物でした。
では、と、調子に乗って「analog」の語源はと調べたら、・・・残念ながら「アナログの」としか、載っていませんでした。

 

(医局)