骨粗鬆症の薬(ビスフォスフォネート)剤について

2018/04/12
スタッフブログ

こんにちは~ 薬剤科です 桜楽しめましたでしょうか?

                  

最近は骨粗鬆症の治療薬で経口ビスフォスフォネート製剤(当院ではアクトネル(月1回タイプ)、ベネット(週一回タイプ))(以下BP剤)が広く使われています

余談ですが注射用BP剤ゾメタは癌が骨転移した際の骨病変(疼痛や骨折など)や悪性腫瘍による高Ca血症にも適応症が認められています。また乳癌の転移や再発予防に効果があったとの発表もありますので、乳癌治療では治療早期から積極的に使われています

 

さて経口BP剤は毎日、週1回、月1回服用タイプがあります

いずれも起床時にコップ1杯(180ml)の多めの水でゴックンゴックンと元気よく服用し、30分間は臥床(横になること)、水以外の飲食をしてはいけないことになってます

 

なぜでしょう?

理由は経口BP剤の吸収率は10%程度と吸収がよくありません。食事をすると更に吸収が悪化するからです

また臥床をしてはいけない理由は、万一食道壁に経口BP剤が残っていたり、胃の中で溶けた高濃度BP剤が食道に逆流して食道が障害されないようにするためです

 

いろいろ飲み方に約束事のある経口BP剤ですが、経口BP剤は骨粗鬆症でスカスカになった骨を強くしてくれて、骨折を予防して円背や寝たきりになるのを防いでくれる頼もしい薬なのです

 

あと一点注意事項があります。

BP剤使用中に歯科治療をすると顎骨壊死(骨髄炎、骨壊死)になる場合があります

このことは歯科医師はご存知ですので、歯科受診の際は薬手帳を歯科医師に提示してください 治療内容によってはBP剤を少しの期間休んでくださいと指示されることがあります

 

BP剤服用中は、歯磨きやうがいをして口腔内を清潔に保つことも顎骨壊死の防止に有効です

病棟でも対応をお願いします

 

(薬剤科)