僕の山想記③ 東鳳翩山から萩往還を歩く

2020/07/13
スタッフブログ

放射線科です
新型コロナが、日本で猛威を振るう少し前に、脚力アップのため
登山も兼ねて、萩往還を少しだけ歩く計画を立案しました。萩往還は、
萩城下町から防府三田尻までを結ぶ全長約53㎞の街道でよく知られて
います。
錦鶏の滝コースから東鳳翩山を目指し、8合目から尾根道を板堂峠まで
進み、その後萩往還を歩き、天花畑に下山する計画です。
天気は快晴9時「錦鶏の滝」駐車場を元気に出発約15分で錦鶏の滝到着。
朝が早いので、アマチュアカメラマンの人が、朝焼けに眩しい滝の写真撮影
をしていました

登山道は、滝右側の急な岩場を登っていきます。途中一の沢、二の沢を渡る
たびに休憩をし、谷を左右横切りながら登って行きます。このコースは、
沢が多数あり、水場に恵まれています。もう一つの天花コースは、途中に
水場がありませんので、登山道は、少し荒れていますが、夏場は特に錦織
の滝コースを登ります。何度も休憩しながら、高度を稼ぎ、広い左右に分か
れる谷に到着。道は左側に谷に向かっていて、急坂をよじ登り、約60分で
天花コースの合流地点に到着しました。
ここからは登山道もよく整備され、快適に歩けます。約30分で峠に到着。
ベンチもあります。ここで水分補給とおやつを食べ出発です。本来なら
左側の尾根道進み、山頂を目指しますが、今回は板堂峠方面に向かうので、
右側を進みます。
峠までの尾根道は、かなりの距離があり、5~6回のアップダウンの道を
越えなければならず疲れます。しかし、登山道は、木製の階段が整備され、
所々に休憩用のベンチが設置されていて助かります。途中、屋根付きの
ベンチがあったので、昼食にしました。定番のカップヌードルと梅干し
入りの大きめのおにぎり2個を平らげ、コーヒーをがぶ飲みです。ありふ
れた食事ですが、満足感があります。人には言えない幸せを感じますが、
減量には適しません。
ここから板堂峠まで約500メートルです。少し重くなったお腹を気にしな
がら、坂道を下り、やっと板堂峠に到着。出発から約3時間半の行程です。

ここ板堂峠は、萩往還で最も標高(540m)が高く、板堂峠~天花畑間が
最大の難所と言われていますが、道幅は結構広く歩き良いです。途中、
キンチジミの清水跡・一貫石跡等の案内板があります。一の坂一里塚跡は、
萩と防府を結ぶ萩往還の中間地点になるそうです。航空写真や正確な地図
もない時代どうやって測量したんですかね?

板堂峠から約30分で、急な下りになって直ぐに、六軒茶屋跡に到着しました。
ここは、街道を行き交う旅人の休憩場でもあり、お殿様の休憩所でもありま
した。急斜面の両側を段々畑の様に平地を3~4段に整地しています。お殿様
や高級家老は上段・屋根付き畳敷き、中間管理職は中段・板の間、我々の
様な足軽風情は下段で直にごろ寝休憩かな、と勝手に想像しながら、こんな
山の中でも身分制度脈々と生きているとは、ちょっとだけビックリしました。
丁度、足軽風情・下段の「御供中腰掛休所」にベンチが設置してあり、身分
相応なので、ここで大休憩しました。リュックに残ったおやつと少しぬるく
なったコーヒーを飲んでいると、谷からの吹く風がとても爽やかで、穏やか
な気分です。この爽やかな風は、がんじがらめの身分制度に関係なく、お殿様
も、足軽風情の私にも平等に吹いてくれてとても幸せな気分です。

少し軽くなったリュック背負い、六軒茶屋跡を出発です。直ぐに急な下りの
ジグザグな道になり弱った膝に負担がかかります。杖で体を支えながら慎重に
下っていきます。
ここは、四十二の曲がりと呼ばれ、膝が大笑いする位曲がりくねった急な下り
が続きます。膝の笑いを我慢しながら、坂道を右往左往して下っていると、
ふと、江戸時代・お殿様たちはこの坂道をどうやって登り下りしていたのだろう
と、疲れているので、意味のない余計な事を考えてしまいます。
この急坂、狭苦しい駕籠に乗っているお殿様は大変です。登りは、上向き状態
でまだましですが、下り坂は前かがみになり、足場もかなり悪いので、駕籠
は横揺れ状態になり、お殿様は船酔い(ゲロゲロ状態)になるかもしれません。
でも、駕籠担ぎ皆さんはもっと大変です。万が一、駕籠が倒れお殿様の身の何か
あれば・・・担ぐだけでも大変なのに、まさに命がけです。ひょっとしたら
お殿様も身の危険を感じ、仕方なしに歩いたかも・・・何て意味不明な事を
ぼんやりと考え、汗をかきながら急坂を下ります。人家の屋根が見えて、
やっと駐車場に到着しました。天気も良く、充実感満載の約5時間の山歩き
でした私も高齢者の領域に足を踏み入れました。少しでも筋力・脚力アップ
になれば良好と思って、「次の山歩きは何処に行こうかな…」と梅雨の雨音
を聞きながら思案する毎日です

「放射線科」

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