目はデジタル・ズーム?

2010/08/17
スタッフブログ

 皆さんは、写真を撮るときに、広い範囲を撮影したら、中心の肝心の部分が小さくなりすぎると感じたことはありませんか?
 
 私は、フィルム・カメラ(専門的には「銀塩カメラ」と言います)の時から、ずっと悩んできました。
 しかし、これには訳があります。人間の脳は注意の向いた所だけを「大きく」認識し、他の情報を切り捨てます。周辺は、目の網膜というスクリーンには映っているのに、意識されなくなるのです。ちょうど、デジカメのデジタル・ズームと一緒ですね。

 

    それに比べて、フィルム・カメラはレンズに映るままを捕らえます。特に広い範囲を捕らえる広角レンズは中心が小さく写ります。
 目の網膜は、中心の視神経の密度が高く、画像の中心部だけ取って拡大しても画像が荒くなりません。正確には、むしろ、周辺のほうでは視神経の密度が低いと言うべきかもしれません。

 

    では、これをデジカメに応用して、中心部は網膜に相当する受光素子の密度を高く、周辺ほど荒くするのはどうでしょうか?人間の目に似た受光素子。このアイデアを、カメラメーカーに持ち込んだら莫大な特許料が・・・。

 しかしこれでは、写真を引き伸ばしたら、周辺は荒れ荒れ。しかも、均一でない受光素子の作成にはコストがかかります。まず、実現しそうにありません。
かくして、私の一攫千金のたくらみは、猛暑日の熱帯夜の夢と消えたのであります。

 

(医局)