MRI撮像装置のお話です。「磁石の力で写真を撮る」

2013/01/15
スタッフブログ

20世紀後半から21世紀の現在まで、医療装置の技術革新のスピードには目を見張るものがあります。

もちろん私が日常業務している放射線分野も例外ではありません。

 

今回は、その代表的なMRI撮像装置についてのお話をします。

このMRI撮像装置は、Magnetic Resonance Imaging  の頭文字を取ったもので、直訳すると「磁石の力で共鳴させて画像を得る」となります。

つまり磁石の力で写真を撮る事の出来る摩訶不思議な装置なのです。

 

この装置の最大の特徴は、CT撮像装置と違い、X線を使用していないのでX線被ばくがなく、人体の縦・横・斜めあらゆる方向からの断層画像(輪切りの画像)が直接モニター画面上に撮像できる事です。

又、骨部からのアーチファクト(障害陰影)が少なく、鮮明な画像が得られます。

 

MRI撮像装置の理論は、大変難解なので省略しますが、現在の医療にはなくてはならない画像診断装置なのです。

この装置は、造影剤を使用せずに脳血管画像が撮影できるので、脳動脈瘤の早期発見等、予防医学としての脳ドッグ領域でも大変役に立っています。

 

スポーツ医学の領域では、半月板損傷や靭帯切断等の診断・治療後の経過観察等に役立ち、又、腰椎椎間板ヘルニアの診断にも一役買っています。

 

20世紀後半より、人類は魚群探知機からエコー撮像装置を考案し、X線よりX線CT撮像装置が開発、そして磁石よりMRI撮像装置が実用化されました。

21世紀の今、これからどんな新しく画期的な医療機器が創られ、我々人類に幸せと満足と喜びと希望をもたらすのでしょうか?

 

(放射線科)